使いやすさをかたちに
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デジタル双眼鏡の事例

リコーより2013年に発売されたデジタル双眼鏡の事例を元に、実際に手を動かすことから発想し、デジタル技術で検証してゆくデザイン開発の事例をご紹介します。
NV-10

商品概要

本製品は霧や暗闇でもブレずに見通せ、過酷な状況でも使用できる防振デジタル双眼鏡です。

特長は手ブレ補正機能、防水・防塵機能に加え、霧、雨、雪などの天候でも、独自の大気障害除去 (PAIR) システムにより、目標となる対象物の画像を最適化し見やすくします。もちろん暗闇での使用も可能で、海上等での警備や夜間監視で威力を発揮する業務用双眼鏡です。

デザインの留意点とアイデア展開

国境、港湾、ダム施設等の野外監視、海上、山岳の保安、防災、消防、警察捜査などさまざまなシーンでの活用が想定され、グローブ装着時の操作性を考慮する必要がありました。またハードユース耐え得るイメージとして、丸味を付けたアウトドアタイプと業務用イメージを強く出した直線的でストイックなタイプを軸にデザインの可能性を探る。この段階ではお客様の商品イメージと私達の考えを整合させるため、ラフスケッチを多く描き、インタビューしながら共感できるイメージを探っていきます。
ラフスケッチ

デザインのアプローチ

手に持って使うものは、いくら見た目が良くても使い心地が悪くては良いデザインとは言えません。使えないデザインを提案することは無駄な労力をかけるだけでなく、判断を惑わせます。

ここでは、直線的なイメージのAタイプと丸味を帯びた造形のBタイプを詰めていくことにしました。デザインを絞り込む段階では、立体を作り、使い心地を確かめながらスケッチをおこします。まずは発泡スチロール材で容易に作れるラフモデルで掴んだ感じを確かめます。


スケッチ&ラフモデル

クレイモデルによる詳細デザインの評価・検証

さらに詳細なデザインを詰めてゆき、より細かな立体造形ができるインダストリアルクレイを使ったモデルで、外観だけでなく、操作性、重さ、重心など最終デザインに近いイメージで評価をし、デザインを決定します。この段階でAタイプに決定。
クレイモデルによる評価・検証

CADによる3Dデータ制作

CAD画面

クレイモデル制作時に作る簡単な図面を元にCADで形状を作っていきます。 部品の分割や組立方法、型割なども考慮しながら、ディテールを作りこみます。

このデータで色を付けたモックアップモデルを製作することもありますが、今回はケミカルウッドをNCで切削加工した簡易モデルで最終形状や操作性の検証を行います。

また、部品レベルで色や材質感を施し、最終製品イメージがわかるレンダリングを制作しCMFを検討・検証します。

このデータは設計区で読み取り、製品の部品データに使われます。

レンダリングとモックアップによる最終デザインの評価・検証

最終段階でのデザイン確認作業です。CGと切削モデル、そして最終製品をご覧ください。ほとんどイメージが変わっていないことがわかると思います。当社ではこのように量産化に必要な知識を持ち、技術者との連携をとりながらデザインすることを心がけています。
CG/モック/製品


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